読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

命を燃やす

参加者が26人しかいないマラソン大会が行われることになった

メインはマラソンだが 一泊二日のツアーになっていて 初日は劇を観たり温泉に入ったりするらしい

そして二日目の朝に号砲が鳴り42.195キロを走る

別に競争というわけではなく 各々のペースで走り ゴールでは焼き殺されるというスケジュールだ

自殺志願者の裏ツアーかと思ったが 参加者の誰もが人生に絶望しているわけでも不治の病に侵されているわけでもなさそうだった

中にはパパが走るので奥さんと子供が応援に来ているという普通の家族もいた

スケジュール通り 舞台を鑑賞し温泉に入った

旅館の部屋で参加者と話すことができたので なぜ参加するのか聞いてみた

参加者は前の職場の同僚だったが 明日死ぬことについては特に何も感じていないようだった

釈然としないまま布団に入り 翌日スタートを見守った

小雨が降っていた

が 火をつけやすいようにゴールにはガソリンが用意されていた

やはりこいつらは死ぬのかと思うと 悲しいような寂しいような気分になった

淡々とスタートし それぞれがそれぞれのペースで走った

楽に走る者もいれば 苦悶の表情でメタボな腹を揺らして走る者もいた

だが全員無事ゴールすることができた

いよいよ燃焼だ

と なぜか焼き殺される連中の中に入れられ 周りを火で囲まれたところで目が覚めた